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初めに
前の記事で解説した(前の記事はコチラ)
お客様へヒアリングをした事により
お客様の情報を把握出来たら
次に提案(クロージング)を行っていきます。
目次
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クロージング方法を知ろう
クロージングってどう進めればいいのか分からないって方多いんではないでしょうか。
今回は、ベテラン携帯販売員のスペ太郎が新人スタッフのあなたへ、クロージング方法の極意を解説していきます。
売りつけようとするのはNG
まず初めに、
お客様に契約してもらいたい!という心境で販売を行うと、どうしてもその気持ちが前面に出てしまい、お客様にもその気持ちが伝わります。
このスタッフ怖い、もう話したくない、早く帰りたい、このお店二度と来ないといった、心理的にすごく悪い印象をもたれかねません。
5年前なんかは、「週末キャンペーン」とお客様にお伝えして
来店されたその日に、ご契約して頂かないと還元額が大きく変動してしまい、お客様に損をさせてしまうという事は良くあったので
昔は「絶対に今日買った方がいいですよ!」とか、「今日決心してください!」と言えてたんです。
しかし、今の通信業界は法律の兼ね合いでスマートフォンに対しての還元は最大2万円までと変わりました。
1万円や2万円といった金額が人によってどう感じるかは分かりませんが
今日携帯変えなければ1万円損しますよ!とか、今日だけなんで!とか言った所で、お客様の心には正直あまり響かないのではないか?
とスペ太郎は考えているんですね。
ではどうすればいいのでしょうか?
それはお客様の気持ちに寄り添った接客を心がけること。
、、、、それだけ?
と思うかもしれませんが実際の所これに尽きます。
お客様に寄り添うにはどうするのか
寄り添うと言っても本当に寄り添う必要はなく、お客様に適した料金プラン、機種選定、現状の状態から今後に向けて何をどうしていくのが1番いいのかという3点に重点を置き提案をしていきます。
▫よくある提案の例
ここで活かされてくるのが前項の記事で解説したヒアリングの内容になってくるのですが、何も情報が分からないお客様に
- 新しいiPhoneはカメラも良いし画面も見やすいのでこれにしましょう。
- 料金プランは使い放題プランがお得なのでこれにしましょう。
- 今使われている機種からデータ以降は簡単に出来ますし、乗り換える時に解約金かかるかもしれないのでご自身で確認しておいてください。
こんな感じで言われても
スペ太郎ならまずこの人から購入したくありませんし、新しいiPhoneや、使い放題プランが自分に適した料金なのかも定かではありません。
データ以降も簡単かどうかはお客様次第ですし
SDカードを差し替えるだけでも自分では出来ないという方は多い事でしょう。
▫ヒアリングを活かし結果的に寄り添ってる例
たまたま先程の提案がお客様に適していたと過程して
先程と違い、ヒアリングが出来ている例をあげます
- 今iPhone7を利用されており、画面が大きい方が良いとの事だったのと、家族の写真をたくさんデータに保存されているとも言われていたので、新しいiPhoneはカメラも良いし画面も見やすいのでこれにしましょう。
- 現状お客様は昔のプランを使われており、何ギガ以上ご利用されるという事なので、料金プランは使い放題プランがお得なのでこれにしましょう。
- iCloudにデータを保存されているとのことだったので、同じAppleIDでログインすれば今使われている機種からデータ以降は簡単に出来ますし、現在利用されている携帯会社も昔のプランであれば、乗り換える時に解約金かかるかもしれないのでご自身で確認しておいてください。
文章は長くなりましたが、お客様の最終的な契約内容の結果が同じだったとしてもヒアリングをしなかった時と、ヒアリングをした時では
提案した際の理由付けができ結果として
お客様に寄り添っているかのような説明と変化したのです。
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お客様の最終的な判断基準
人によって買うか買わないかの最終ジャッジは変わってきますし、判断基準はバラバラです。
しかし下記の基準に関しては大抵の方が当てはまると思うので参考にしてみてください。
- 金額が今より安くなる。もしくはお客様が想定していた金額より安かった場合
- 希望機種の在庫が希少であればある程即決力は高まる
- 今買うのはお得なのかどうか。もしくは、いつ買っても同じなのかどうか。
- お客様自身にマイナスになるようなデメリットがあるのかないのか
- 内容は良かったけど説明したスタッフに対する感情
上記のポイントを意識してクロージングして行くといいのですが、それぞれ解説していきます。
①金額が今より安くなる。もしくはお客様が想定していた金額より安かった場合
お客様からこの機種にしたら月々1万円くらいですよね?とか、この機種って本体代10万くらいですよね?って聞かれたとして、結果的に
月々が9000円、本体代金が9万円だったらお客様からすると、すごく得した気分になりますよね?
このようにお客様に質問されなかったとしても、こちらからヒアリングを行っていき
お客様が予算をどれくらいで考えているのか、現状いくらくらいお支払いしているのか把握するようにしましょう。
▫参考例
※ヒアリングにより、お客様の現状お支払いが1万くらいだと把握が出来た例。
▫現状の1万円よりお安くなる場合
見積もりを出す際にキャンペーン等によって
毎月のお支払いが月額8000円になるお客様だったとしても
まずはキャンペーンが適用されてない金額を提示してみるようにしましょう。
提示したら一旦お客様の様子を伺いましょう。
そうするとお客様の方から
「高いですね〜」、「今と一緒くらいなんですね!」といったように様々なリアクションが返ってくるのが普通の流れで
リアクションを聞いた後に、その反応に合わせて
「ただし今回はキャンペーンが入るので8000円になります」と伝えてみるようにしましょう。
付け加えて「良かったですね〜」と言ってみてもいいかもしれません。
お客様からしてもこの提案の流れであれば、高い金額からお安い金額に下がったというイメージが付き、気持ち的には得した気分になると思います。
▫現状の1万円より高くなる場合
毎月のお支払いが現状より高くなってしまう場合は、見積もりをお客様に提示する前に、今よりも条件が良くなる点を強調するようにしましょう。
まずはお客様に、お支払いが今より高くなるのは仕方がないという雰囲気を作ることが大切です。
例えば、「今回は最新モデルの性能がとても良い機種になるので、その分機種代金はいいお値段にはなると思います。」
「新しい料金プランは今使っているプランよりも、どこどこの部分が良くなっているので、、、」
という感じで高くなるのは仕方がないという前置きをしておくんですね。
こうすることにより、金額は今より高くなりそうだな〜と、お客様に見積もりをお見せする前から想像してもらう事ができ
見積もりを提示した時に、お客様がかってにイメージした少し高くなった金額との比較をする事がしやすくなります。
高くなるのは仕方がないと印象を付けることが出来ていれば、本当に現状よりお支払いが高くなってしまったとしても
購買意欲を下げる事なく、契約までお話しを進められると思います。
②希望機種の在庫が希少であるほど即決力は高まる
お客様の希望機種が、お店に溢れるほど在庫がある場合と、残りの1個だけだった場合では確実に後者の方が即決力が高まることでしょう。
このように希少性というのは販売時における大事なポイントなのです。
例えば
- 人気のモデルなので今は○個ありますが、次回にあるかは微妙ですね〜、、
- この機種は人気という訳ではないですが、その分入荷はめったにしない機種で店頭に置いてるのは珍しいんですよね。
- スタッフとしても1番オススメしやすいモデルなので無くなる可能性は高いですね。
こんな感じで、嘘をつくのは本当に良くないと思いますので上記のような言い回しが出来ればいいのかなとは思います。
正直、筆者のスペ太郎がお客様で来店していたとしても
「最後の1つだけありました!」とか、「たまたまキャンセルが出たので1台ちょうどフリーになりました!」とかもし言われて本当の事だったとしても
なんか嘘っぽくてそれ以降、そのスタッフの話し聞くの疑心暗鬼になります。
③今買うのはお得なのかどうか。もしくは、いつ買っても同じなのかどうか。
「期間限定のキャンペーンでお得です!」とか言われても本当かどうかも分からない、尚且つ初めて会ったばかりの携帯スタッフにそんな事言われても怪しいと違和感しか感じませんよね。
昔は機種代金が0円になったり、さらにキャッシュバックが貰えたりと
お客様にとっては携帯を変えるという手続きはインパクトの大きいイベント事だったかもしれません。
しかし現状では、法律の規制により機種代金は2万までの還元しかでないと決まっており
今日だけ!今週だけ!と言われても
それは本当かもしれないけど、「そもそもお得に見えない」とお客様に対するインパクト自体がなくなってしまっているのです。
▫じゃどうするの?
提案方法としては特典を前面に押すのではなく
まずはお客様の負担になる費用を優先して、提案を進めてみるようにしましょう。
例えば、解約金が乗り換えると発生するプランなのか、日割りの兼ね合いから来店されたタイミングがいつなのか、このような項目を意識しましょう。
解約金が発生するプランであれば、新しいプランに変更すれば来月から解約金がなくなる会社がほとんどですし
月初に来店されたお客様は、月末に誘導してあげたら日割りの兼ね合いから負担が減ることになります。
このように、まずはお客様が携帯を変える際にどのような費用が発生してしまうのか。費用がかかるのであれば、どのようにすれば費用を抑えられるのかお伝えするようにしましょう。
▫マイナスからプラスに切り替える
お客様が負担する費用がどれくらいかかるのか把握する事ができたり、どうすれば負担費用を減らせるのか伝えると
「それなら今度また変えようかな」、「それくらいの費用なら別に変えても問題ない」と言ったようにお客様のリアクションが分かります。
この反応が前向きな発言であれば、そのまま契約を進めれば大丈夫ですが、ネガティブな発言であればその意向に沿った切り替えしの提案を行ってみましょう。
▫参考例
1.更新月まで待つor日割りの観点から月末まで待つ
こちらからお客様の負担費用を減らす方法として伝えた内容ですが
もしも現状キャンペーンがあるのであれば、しっかりとそのキャンペーンは伝えましょう。
今乗り換えると、解約金が1万円かかりますが特典が2万円あるので今日買い換えるメリットは大きいかもしれません。とか
月末や来月も同じ特典であれば、1番お客様がお得になるパターンとなりますが、キャンペーンがなくなったり、金額が下がる可能性もあるのでその点はご了承ください。
このように、後からお客様の負担になる費用をキャンペーンで補うというような流れを是非活用してみましょう。
2.今使っているスマホに不満がある場合
今の携帯に不満をもたれているのであれば、負担費用が少なくなるベストタイミングよりも
今すぐにでも新しく買い換える事で、日々のストレスから解放されると金額以上の価値をお客様が感じるかもしれません。
また、壊れかけのスマホであればデータ面を考慮し動いている内に新しいスマートフォンを購入しデータ以降まで完了させた方が安心とも伝える事ができます。
こういったように様々な視点から今なのか待つべきなのかという判断を仰ぐ事は可能です。
大事なのは自分の利益の為だけにお客様に無理強いをしないという事、私を信頼してくださいというような気持ちでしっかりとお客様へ伝えていくようにしましょう。
④お客様自身にマイナスになるようなデメリットがあるのかないのか
携帯を変える時に良くあるお客様のデメリットは
- 月々の料金が高くなる
- データ以降が面倒くさい
- 手数料や解約金がかかる
- 携帯を変える時間がかかる
- 疲れる
いろいろ他にもあるかもしれませんが、だいたいこんな感じでしょう。
こういったデメリットはお客様から質問がある前に伝えておく事が基本的には望ましいと思いますが、状況によっては質問されるまであえて伝えない方がいい場面もあります。
ここで伝えたい大切な事は
こういったデメリットがある時に、どのようにお客様のデメリットを対処していくのか前もって対策方法を考えておくことです。
先程解説した負担費用の場合で例えると、キャンペーンで補う、スマホの不調をきっかけに対処を行ったという結果になります。
その他に良くある例は、データ以降や、手続きに掛かる時間などです。
データ以降の内容であれば、どのようにすれば簡単に以降できるのか前もって知識を付けておく事は出来ますし、
お客様としても「お店でデータ以降は出来ません。」と言われるよりは、「お店では出来ませんが、データ以降の方法はお伝えできます!」と言われた方が安心できます。
時間の面で考えると、手続きにはどう頑張っても所要時間は決まってきます。
ですので、購入する意思が高そうな方には前もって「携帯のお渡しまでには1時間程かかります、大丈夫でしょうか?」
そもそも購入するか迷っている方には、「ご説明に10分から20分程かかると思いますが本日のご予定は大丈夫でしょうか?」
と言ったように、前もってお客様の予定状況や時間に対する感覚を把握しておくようにしましょう。
このようなデメリットは、毎回お決まりのパターンばかりなので前もって準備はしやすいと思います。
しかし、こういったデメリットを「提案の最後に伝えればいいや!」とか提案の途中で「解約金伝えるの忘れてた!」というように後から伝えて、お客様の購入意欲がなくなると
今まで行ってきた提案がすべて白紙に戻ってしまいます。
さらに、お客様の心境としてもガッカリした気持ちがより一層増しますし、お互いの時間も無駄にしてしまうので重要な項目だと覚えておきましょう。
⑤プラン内容は良かったけど説明したスタッフに対する感情
お客様の利用状況によっては、携帯電話を新しく買い換えるだけでも今より安くなったり、他社へ乗り換えるだけで、すごくお得になったりとメリットしかない場合も良くあります。
しかし、お客様へ提案を行っていたスタッフの態度が気に入らなかったり
怪しさが満載で不信感を抱いてしまったりと、携帯のサービス内容ではなく提案するスタッフの態度が気に食わず
ご契約まで至らない場合も稀にあります。
記事の最初にもお伝えしましたが、クロージングはお客様に寄り添う事が大切で、どれだけお客様に契約をして欲しいと思っていても
まずはお客様の意思を尊重し、何を求めてお店に来店されたのか、何に興味があって今に至るのかをしっかりと把握するようにしてください。
そうすれば、おのずと自分勝手に的外れな提案をしたりすることも無く、お客様と意思疎通のとれた商談を行う事ができます。
結果、自然とお客様から感謝される商談の終わり方となり、あなたもお客様も気持ちのいい充実した時間だったと振り返ることになるでしょう。
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まとめ
▫つまりスペ太郎が考えるクロージングとは
クロージングとは、最初にも述べましたがお客様に寄り添った提案をすること。
その為には、ヒアリングをしっかり行い、そこにあなたが知っている出来る限りの知識を組み合わせてお客様がお得に思えるような提案をしていく方法です。
昔のようなキャッシュバックが沢山ある時代では話しが別ですが、現在の通信業界ではキャッシュバック等のお金ではなく
お客様が買い替えを行うベストなタイミングを教えてあげること、そしてそのベストタイミングに対して、今買い換えるメリットを伝えお客様の天秤で判断してもらう。
そこの判断材料に寄り添った提案がプラスアルファされ、あなたというを存在をお客様が評価してくれれば成約率のアップに繋がるのです。
こういった気持ちを常に持ちお客様に接していくことをスペ太郎は推奨させていただきます。
結論
クロージングはお客様に寄り添って行いましょう。
では、寄り添ったクロージングを行う為には何が必要か?
答えはヒアリングです。
という事で
ヒアリングがまだ上手くできない。という方はこちらの記事を参考にしてください。
最後までお疲れ様でした!以上
□携帯販売員の提案とクロージングに関したのオススメ記事